アクリル系 両面テープの粘着剤


 

両面テープには粘着剤の種類があり、ゴム系やアクリル系、またシリコン系とあり、粘着剤の種類によって特徴や用途が変わってきます。それぞれの特徴や形態・用途等を3回に分け、今回はアクリル系の粘着剤について紹介します。

〇アクリル系粘着剤の特徴
アクリル系粘着剤の原料はアクリルモノマーで、主にコンタクトレンズやプラスチックガラスまた吸水性ポリマーなどに使用されます。このアクリルモノマーを選択し共重合することにより、必要な機能を持ったアクリルポリマーが合成されるため、粘着剤として使用されます。アクリル系は、特に透明性や耐熱性、耐候性、耐溶剤性などに優れいるため、液晶パネル、携帯電話や自動車などに広く使用されます。また、粘着力の幅が広いため、弱粘着タイプから強粘着タイプまで設計が可能となり、そのため、再剥離性が必要な加工の工程用フィルムから、強い粘着力が求められる電子部品を貼り合わせ用のテープ等、様々な用途で使用されており、さらに、アクリル系粘着剤は最大の粘着力を発揮できる状態になるまで時間がかかります。紫外線やオゾン、高湿な環境への耐性が非常に優れているため、アクリル系粘着テープは高い透明性を持ち、ガラスや透明プラスチックを接着する用途に適しています。また、耐老化性にも優れており、黄色に変色することが無いので、透明性を保つことが可能となっています。さらに、耐熱性にも非常に優れているため、屋外で長期間使用する用途に適しています。

〇形態
アクリル系粘着剤には、2種類の形態があり、溶剤中でポリマーを合成、様々な添加剤をブレンドしている:溶剤型と水中にポリマー成分を均一に分散させる:エマルション型とあり、両方の長所は、熱や紫外線で粘着剤が劣化しにくく、用途に応じた幅広い設計が出来るという点。また、短所は、低温環境下ではつきにくく、プラスチック系被着体につきにくいという点があります。

〇用途・使用製品例
アクリル系粘着剤は、太陽光発電モジュールのパネルラックへの取りつけや自動車の部品の固定。また、電気モーター内の磁石の固定や金属やガラス製家具の組み立て、さらに建物の外壁材の固定等に使用されています。また、使用製品としまして、ET75-H120(10)…透明ポリエステルフィルムに、優れた再剥離性を持った微粘着タイプのアクリル系粘着剤を塗布した粘着シートで、主に保護シートや加工工程用キャリアシート等に最適となっています。R-透明50-N…透明のポリエステルフィルムに再剥離性を持つアクリル系粘着剤を塗布したシールやラベル素材用の粘着シートとなっています。 MHM-FWD25…高い透明性を持った基材レス両面粘着シートです。クリーン製造で高透明、そして金属膜への影響の少ない酸フリータイプの粘着剤を使用してます。

〇まとめ
いかがでしょうか。アクリル系粘着剤は、ご家庭や職場、地域と様々な場所や用途で使われております。何かお困り事になりましたら下記にお気軽にお問い合わせください。 hourai.info/mailform/